【都市開発の謎】仙台にテーマパーク・ドーム・地下街が欲しいのにできないの?

以前、YouTubeのコミュニティで仙台に欲しい施設のアンケートをとりました。 コメントなどで出てた情報を元に項目を設定し、ドーム、大型テーマパーク、地下街、その他、そのままの君でいてね、の5項目としました。 3086票もの回答をいただきました。

結果は、大型テーマパーク40%、ドーム26%、地下街17%、その他3%という結果で、そのままの君でいてねという、ありのままの仙台を受け入れるという回答は14%ありました。

個別の意見では、2012年に姿を消したZepp仙台の復活や、仙台城の復元、競馬場を望む声なども見られました。今回は、アンケート候補にした施設について、構想などがあるのかどうかを深堀りしてみたいと思います。

テーマパークの夢

仙台市には八木山ベニーランドという地元に根付いた遊園地がありますが、ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンのような大規模なテーマパークは存在しません。

東北だとお隣山形のリナワールドが最大規模になるでしょうか。

令和元年12月に知事へ寄せられた意見にもテーマパークを希望する声がありました。それに対する回答は、観光復興に取り組んでいる旨の内容とともに次のようなな回答が書かれていました。

御提案のように、SNS映えする楽しいアトラクションテーマパークができれば、より大きな経済効果も生まれ、地域が一層活性化していくことになると思います。一方で、建設に当たっては、テーマパーク運営先への働きかけや、多大な費用など様々な検討が必要になりますので、今後の地域活性化や観光施策の参考にさせていただきます。

https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/gyokei/r1teiannaiyou.html

今の所実現度は低そうですね。

ちなみに2014年にWARASCOという施設の企画が持ち上がったことがあります。東京の設計コンサル会社「創コンサルティング」を中心に、仙台市郊外の茂庭土地区画整理事業用地に、アニメや漫画の世界観を再現したアトラクションや商品のショップ、人気アニメキャラクターの展示などを含む施設を建設するというものでした。予想される来場者数は年間100万人と見込まれていました。

しかし、用地問題により同年中に中止となってしまいました。WARASCO計画の予定地には後に、ショッピングセンター「フォレストモール仙台茂庭」が開業しました。

なお、WARASCOの企画運営を進めていた同名の法人は2022年に破産手続きをしており、この計画は2度と実現することは無くなりました。このように、仙台市に大規模テーマパークが建設される可能性は、現状かなり低いと思われます。

しかし、市民の間では大型テーマパークに対する期待は強いと言えるでしょう。引き続き注目したいところです。

ドーム構想の現状

野球ファンやコンサート愛好者にとって、大規模なドーム型施設の存在は重要です。

現在、大型コンサートやイベントは主に利府町にあるセキスイハイムスーパーアリーナで開催されますが、その立地の不便さから改善を求める声が多く聞かれています。アンケートでも球場のドーム化を求める声がありました。

実は過去には、宮城野ボールパーク構想推進協議会がドーム構想を提案していました。仙台貨物ターミナル駅を含めた再開発の計画で、野球場を核とした複合施設を建設するというものでした。

しかし、このドーム構想も実現には至っていません。仙台貨物ターミナル駅の移転計画はありますが、その跡地は防災拠点を兼ねた公園となる方向です。

今後、仙台市の人口増加や地域経済の発展を考慮すると、大型イベントを支えるドーム型施設の必要性はさらに高まるでしょう。ドーム構想が現実化する日が来るかどうか、これからも注目していきたいところです。

地下街のない政令指定都市

政令指定都市の多くに地下街がありますが、仙台はその例外となる街の一つです。地下街が欲しいという意見も多く見られました。そもそも、なぜ仙台に地下街がないのでしょうか。土地柄かといえば同じ東北でも岩手県盛岡市には地下街があります。

仙台に地下街がないのはいくつか理由があるようです。

まず、地下街開発に対する商店街の反対があったという話が一説にはあります。次に、1972年に起こった大阪・千日デパートでの大火災をきっかけに、地下街の開発に対する規制が強化されたことも影響しています。安全面に対する懸念から生じた変化で、地下街開発の難易度を高めました。

都市計画の選択肢として、地下街の開発とペデストリアンデッキの開発が主な選択肢となりましたが、規制が厳しくなった地下街開発案は採用されず、仙台市はペデストリアンデッキが選択されました。地下街の開発は実現せず、現在に至るまでそのままの状態が続いています。

しかし、仙台駅の東西地下自由通路には店舗を設置できるような仕掛けがあるとのこと。地下街実現の可能性はゼロではなさそうです。

2023年現在、アーケード街の昔からの商店は徐々に姿を消し、有名チェーン店などが軒を連ねる状況になりつつあります。仙台の街がアップデートされていく中で地下街構想が復活することがあるかもしれませんね。

その他施設の状況

最後に、その他の意見に着目してみましょう。

Zepp仙台についてヨドバシビルに入るような情報が流れたことがありました。2023年6月にヨドバシ仙台第一ビルがオープンしましたが、結果はご存知の通り。バスターミナル、飲食店街、ファストファッションの店などが入るにとどまりました。

仙台城復元の計画もないですが、将来的に大手門を復元する構想はあるようです。

かつて仙台にも仙台宮城野原競馬場がありました。しかし仮設競馬場だったため1929年に愛子競馬場に移設。しかし事業不振により1931年には閉鎖となったそうです。2022年にVIESTA(ヴィエスタ)という馬券は販売しないタイプのレース観戦施設がアーケード街にオープンしましたが、それ以外の競馬場の構想などはないようです。

まとめ

仙台市に求められている施設について現状を見てきました。大型テーマパーク、ドーム施設、地下街といった施設に対する強い要望がある一方、それらの実現には多くの障壁が存在します。

時代の変化に伴い、市民のニーズに応える新たな施設やサービスの導入が求められています。市街地の商業施設の変化、文化施設の充実、住宅や交通網の発展など、仙台市は多方面での成長を遂げています。

しかし、新しい施設や開発計画を進める際には、地元の商店街や小規模な店舗の保護と活性化も重要な視点です。地元の魅力を守りながら、新たな価値を創造するバランスの取れた発展が求められるところでしょう。

参考URL

フォレストモール仙台茂庭、2017年11月開業-「巨大アニメ施設」予定地跡に、「ダイユー8」仙台初出店
https://toshoken.com/news/11211

令和元年度「知事への提案」に寄せられた御意見・御提案の紹介 https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/gyokei/r1teiannaiyou.html

宮城県の広域防災拠点、整備完了は32年度に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC273PK0X20C23A2000000/

宮城野ボールパーク推進協議会(アーカイブ)
https://web.archive.org/web/20101008220444/http://www2m.biglobe.ne.jp/~saiasken/MBP.html

地下街のない街仙台 構想浮かんでは消え半世紀 https://kahoku.news/articles/20190613kho000000062000c.html

全国地下街一覧

https://www.mlit.go.jp/common/001005390.pdf

仙台ヨドバシ第一ビル開発に動き ZEPP仙台再出店も?
http://sendai-watcher.cocolog-nifty.com/blog/2018/02/post-c545.html

仙台城大手門跡の発掘調査成果を公開します
https://www.city.sendai.jp/shisekichosa/20231110_kishahappyou.html

仙台宮城野原競馬場
https://ja.wikipedia.org/wiki/仙台宮城野原競馬場

愛子競馬場
https://ja.wikipedia.org/wiki/愛子競馬場

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