最近、仙台で少し看過できない情報がSNSを駆け巡りました。「仙台市の高齢者バス料金に関する誤情報」です。生成AIによって作られたとみられるフェイク動画が発端となり、仙台市が公式に注意喚起を行うまでの事態に発展しました。
【注意喚起】仙台市が警告する「高齢者バス無料化」フェイク動画の正体
問題の動画は、「2025年7月から70歳以上のバス料金が無料になる」という、一見すると非常に有益そうな内容でした。
しかし、これは全くの嘘。実際の仙台市の「敬老乗車証」制度は、無料ではなく、交付を受けた70歳以上の方の自己負担額が軽減されるというものです。作った側は考えなしに動画を後悔しているかもしれませんが、結果として市などに問い合わせが来るのですから悪質なデマと言わざるを得ません。

敬老乗車証に関する情報: 敬老乗車証 – 仙台市ウェブサイト
※正確な制度内容はこちらでご確認ください。
こういった動画は事実確認がされておらず生成AIが作った虚偽の情報である可能性が高いです。実際にその動画を探して視聴してみましたが、合成音声の不自然なイントネーションや、時折おかしくなる字幕など、注意深く見れば「何かおかしい」と気づけるポイントは確かにありました。しかし、生成AIに馴染みのない方が、親切な情報提供だと信じてしまうのも無理はないかもしれませんね。
なぜ信じてしまうのか? 生成AIフェイクニュースの仕組みと自衛策
こうしたフェイク動画は、バス料金の話に限りません。以前TikTokで私が見かけたものでは、宮城に関する雑学として「鳴子温泉の駅は改札を出ずに温泉に入れる」というデマもありました。実際には駅前に足湯があるだけで、駅構内に温泉施設はありません。このように事実を少しだけ捻じ曲げて、興味を持たせるように見せる手口は非常に多い印象です。
(ちなみに、東北で駅の中に温泉があるのは岩手県の「ほっとゆだ駅」が有名ですね。宮城県だと女川駅の「女川温泉ゆぽっぽ」なども該当します。)
では、どうすればいいのでしょうか。完璧な対策はありませんが、いくつか自衛策はあります。
まず、情報の「発信元」を確認すること。大手メディアや自治体の公式アカウントからの情報か、それとも個人や正体不明のチャンネルからの情報かを見極めるのが第一歩です。
次に、動画内や概要欄に「出典」や「参考資料」の記載があるかを確認する癖をつけること。もちろん、その出典元自体が虚偽という悪質なケースもありますが、出典の有無を確認するだけでも、多くのデマは見分けられるはずです。
一番大切なコツは、「お得な情報や衝撃的なニュースほど、一度立ち止まって疑う」こと。すぐに信じてシェアするのではなく、まずは公式な情報源を自分で探しにいく。この一手間が、自分自身と、そして大切な家族や友人を誤情報から守ることに繋がります。
便利さと危険は紙一重。賢い情報との付き合い方を考える
生成AIは、正しく使えば私たちの生活を豊かにする非常に便利なツールです。しかし、その手軽さゆえに、今回のように虚偽の情報で社会に混乱を招く危険性もはらんでいます。大切なのはその特性を理解し、情報を鵜呑みにしないリテラシーを身につけること。
不審な情報や「うますぎる話」に遭遇した際は、すぐに信じたり拡散したりせず、まずは公式サイトや信頼できる報道機関の情報を確認する習慣をつけましょう。公的機関を名乗る情報でも、必ず発信元が本物かを確認することが重要です。


