仙台市宮城野区の沿岸部、かつて東日本大震災で大きな被害を受けた蒲生エリアに「日本一低い山」があるのをご存知でしょうか。その名は「日和山」。今回は、アクセス方法が少し分かりにくいこの山へ、シェアサイクルを利用して向かった体験をレポートします。
わずか数歩で頂上に立てる、でもそこには深い歴史と美しい景色が広がっていました。
仙台・日和山で手軽に非日常体験を
日本一低い山「日和山」は、美しい蒲生干潟に隣接する場所にあります。周辺に駅はないため、車でのアクセスが一般的ですが、公共交通機関なら仙石線・陸前高砂駅からバスと徒歩を乗り継ぐことになります。
今回選んだのは地下鉄東西線・荒井駅から利用できるシェアサイクル「海手サイクル」でした。

この「海手サイクル」は、仙台市中心部の「ダテバイク」とはポートが独立した沿岸部限定のサービス。通常サイズの電動アシスト自転車なので、少し長めの距離でも快適に移動できるのが魅力です。今回はこれを使って、潮風を感じながら目的地を目指します。
荒井駅を出発して約30分。かつて住宅や物流センターが立ち並んでいた場所は、広大な工業用地へと変わっていました。震災以降、整備された姿を初めて目の当たりにし、感慨深い気持ちでペダルを漕ぎ進めます。

標高3mの絶景(?)!登頂時間わずか10秒の感動体験
目的地の「日和山」近くの無料駐車場にはトイレが整備されており、レジャースポットとして訪れやすくなっています。いよいよ、日本一低い山への登山開始です。
利用料金はもちろん無料。登山口の案内板から歩き出すと…あっという間に山頂へ到着。その高さ、わずか3メートル。登頂時間は体感で10秒ほどでしょうか。

近くには蒲生干潟と太平洋。日和山よりも海を目的にやってくる人の方が多い印象ですね。海沿いまで行くととても良い雰囲気ですが、干潟周辺にはフナムシがたくさんいるのが個人的には難あり。景色に見とれて座り込む際は、少し覚悟が必要かもしれません。
日和山と蒲生干潟を満喫した帰り道には、地域の歴史や震災の記録を伝える「蒲生なかの郷愁館」にも立ち寄りました。こじんまりとした施設ですが入館無料。

500円で感動体験。仙台「日和山」サイクリングはこんな人におすすめ
日和山、干潟散策、そして地域の学び。これら全てを約2時間、495円のサイクル料金で満喫でき、非常に満足度の高い体験となりました。
この「日和山サイクリング」は、手軽なアクティビティでリフレッシュしたい仙台市民の方、ありきたりな観光ではないローカルな体験を求める旅行者の方に心からおすすめします。
なお、荒井駅の「せんだい3.11メモリアル交流館」で、登頂写真を見せると「登頂証明書」がもらえるのですが、疲れてすっかり忘れてしまいました。みなさんはお気をつけください。
補足情報
- 日和山: 〒983-0002 宮城県仙台市宮城野区蒲生
- 海手サイクル:公式サイト
- 登頂証明書: 荒井駅舎内「せんだい3.11メモリアル交流館」で受け取れます(令和8年3月末まで)。登頂したことがわかる写真が必要です。開館時間を事前にご確認ください。
登頂証明書について(せんだい3.11メモリアル交流館) - 服装・持ち物: 夏場は日差しを遮るものと、飲み物が必須です。サイクリングなので動きやすい服装をおすすめします。


